季節を楽しむ|3月 折びなを作る

お正月が過ぎると、七草粥、鏡開き、節分と続いて一息ついた頃にやってくるひな祭り。

苦手な冬が過ぎて少しずつ暖かくなってくる兆しや、大好きなウメ・サクラ・チューリップなどが次々と咲き出す春の幕開けを祝うようでウキウキする行事の一つです。

節分が過ぎると玄関やリビングなどに飾られる母の小さな雛飾りコレクションの中でも、
折り紙で作られた雛飾りがお気に入りでした。
聞くと、「昔あなたが生まれる前に本を見ながら折ったのよ。姉(私の叔母)も1セットお揃いで持っているの。」とのこと。いいな〜、私も作ってみたいな〜。と思いながら月日が流れていました。

そんなある日、Amazonで『新版 折びな』という書籍を発見。
表紙を飾るのは私が小さな頃から見てきた、あの母の大事にしている雛飾りではないですか…!
詳細を確認すると折り紙つきということで早速注文。今年のひな祭りは、この折りびな作りを楽しんでみたいと思います。

本の中には、お内裏様とお雛様に加えて、
三人官女と五人囃子までの一式が作れる折り紙が1セットついています。
(1セットだけなので失敗はできない….)和紙独特の触り心地が指先に嬉しい。
大人の折り紙という感じです。それではいよいよ作っていきますよっと。

冒頭から5枚重ねで折り目をつけていくなど、少し難易度が高めの作業が続きます。しっかり時間をとって、ゆったりした気持ちで焦らず落ち着いてよく読んで取り組むのが失敗しないコツです。うっかり読み飛ばして危うく間違えそうになりながらも、まずはお内裏様が完成!

これは、なかなか楽しいです。本によると創案者は不明とのことですが、代々語り継いで、こうして書籍にしてくださったことはとてもありがたい限りです。”楽しい”や”素敵”という思いは繋がっていくのですね。

簡単すぎず、かといって途中で投げ出したくなるほど難解すぎず。
適度な集中力と読解力を駆使しながら、あっという間に時間が過ぎていきます。
切り込みを入れたり、少しずつずらして折ったり、、、
親切な図解のおかげで最後まで作り上げることができました。
(途中で迷子にならないよう、丁寧に解説してくださっていると思います!)

そんなこんなでお雛様も無事完成!(歓喜)

(台座は母の小道具から拝借)

途中休憩やちょっとした用事を挟みながら、2〜3時間かかったでしょうか。
少し間違えた箇所もあります。お雛様のお顔も、作り手に似たのか(汗)お手本よりふっくらしてしまいました。でも手のひらサイズでとてもとても可愛らしいですね。(自画自賛)
飾るときは立体ですが、ペタッとコンパクトになるので収納的にも非常にありがたい。

今年はまずはこの御二方を作って、残りのお連れ様方は来年以降のお楽しみとしようと思います。(力尽きた)三人官女と五人囃子まで揃うのはいつになることやら…お飾りする小道具なんかも欲しくなってしまいますね。お菓子の空き箱でひな壇兼収納用の箱なんかが作れたら素敵なのでは…と、続々と楽しみも増えました。来年からはニヤニヤしながらこれを飾るのだ。

ちなみに、全て完成するとこのようになかなか賑やかになります。
これは30年以上前に母が作った折りびな様たち。

自分で好きな折り紙を用意すれば、何セットでも作れるのでサイズを調整したりアレンジができるようになっています。本に付属の折り紙セットもお上品な色柄の取り合わせでとても素敵です。もう一回作ったらもうちょっと上手にできる気がする!なんてまだ8体(三人官女+五人囃子)も未完成が残っているのに強欲な私なのであった。

左が今回私が作ったお二人、右が母の折びな様。30年の時を経て新入りとご対面。

ちなみにお内裏様とお雛様、左右どっちにどっちを飾るんだっけ?問題があると思うのですが、その辺りの飾り方についてや、雛飾りの歴史についても添え書きで触れられており、
折って楽しい、読んで楽しい、飾って楽しい、素敵な一冊でした。

1969年に誕生した初版は一度絶版になり、1982年の自費出版を経て、2012年にこの『新版 折びな』として再版となったそうです。おそらく私の母が手に取ったのは自費出版の頃のものかと思われます。2022年の今、私がこうして母とお揃いの折びな作りを楽しませてもらえることを本当にありがたく思うと共に、細く長くこの楽しさが受け継がれていくと良いな、と思いました。

寅年にちなんで、とらやの空き箱に入れてみるとピッタリ納まりました。
お連れ様が増えたら入らないので、来年までにいい感じの箱が手に入ったらとっておこう〜っと。

新入り折りびな様が母の折りびな様たちに暖かく見守られるの図

庭の紅梅もいよいよふっくらしてきました。例年雛祭りの頃に開花してくれるのですが、今年は日中最高気温が10℃を下回り雪がチラつく日が続いた2月。ギリギリ間に合ってくれるでしょうか。

以上、雛祭りの楽しい準備でした。気になった方はぜひチャレンジしてみてください。
きっとお気に入りのお飾りとなると思います。

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