園芸初心者の私でも馴染みのあったビオラ。近所のお庭などでよく見かけていました。当初は、園芸店で苗を眺めながら「でも、みんな植えてるしなぁ…」と少し斜めに構えていましたが、今ではその魅力にどっぷり。
冬花壇に欠かせないビオラの魅力
ビオラってどんな花?
ビオラはスミレ科スミレ属に分類される、スミレの仲間。
園芸用に改良された園芸品種で、10月〜5月頃まで咲き続ける一年草です。
園芸品種…自然の成り行きではなく、交配・選別など人為的に作出された品種のこと。栽培品種ともいう。
ビオラとよく似たお花にパンジーがあります。元々は19世紀の英国で品種改良がはじまり、その後ヨーロッパを中心に人気を博していったパンジー。日本には幕末頃に初めてもたらされ、三色菫、遊蝶花、胡蝶菫、人面草などと呼ばれていました。
そんなパンジーの中でも小輪の花をつけるTufted pansyという一群が、日本ではビオラという呼び名で定着していったそう。日本での栽培が本格化するのは第二次世界大戦後、昭和40年代に種苗会社がその品種改良に着手したと言われるので、比較的新しい品種ですね。
パンジーとビオラの違いは、主に花の大きさで区別されていて、花径3〜4cmを境に呼び分けられているようですが、年々品種改良が進みその境界は曖昧なようです。
ビオラのここがステキ!
初心者にも親しみやすい品種ということで、園芸デビューした最初の冬に苗を購入してみました。
実際に育ててみて感じたそのおすすめポイントは…
長い期間植えっぱなしで次々咲いてくれる
まずは、なんといってもその花期の長さ。
ポット苗だと10月ごろ(年々早まっている様子で9月から花つきのポット苗が入荷しているところも…!)、種まきでも早ければ11月頃から咲き始め、そのまま真冬を乗り越え、春を迎え、GWごろまでずーっと咲き続けてくれます。
私の暮らす地域は真冬氷点下を下回ることもしばしばで、朝起きたら手水鉢には分厚い氷が張っていたり、水道管が凍ってしまうこともあります。積雪はそこまで多くないですが、霜にやられてしまう植物も少なくありません。耐寒性に優れたビオラは、そんな環境でも元気によく咲いてくれるため、冬の花壇には不可欠な存在です。
冬に花を咲かす草花は少なめで、それだけに貴重な存在。多少霜に当たっても平気にしてくれるし、日当たりさえよければ次から次へと蕾が上がってきます。
選ぶのが大変なほど、形も色数も豊富
色数が豊富なのも嬉しいポイント。一説ではグリーンと灰色以外の色は全てカバーできるほどたくさんの品種が作出されているとか。(もしかしたらどんどん進化してもう誕生しているかも…?)
色の組み合わせを楽しんだり、エリアごとにカラーを分けて植えてみたり、はたまた一色で埋め尽くしてみたり。今年はどんなカラーにしようかな、と選ぶ時間も楽しいものです。
ビオラは品種改良が盛んで、フリルのような花びらや、うさぎの耳のようなシュッとした花びらなど、色だけではなくお花の形も様々なものがあり、ハマればハマるほど魅力が広がる品種。
日頃の管理も楽!
個人的に、冬は松の手入れや生垣の刈り込みなど庭木の手入れの繁忙期で、花壇にはあまり手が回りません。その間ほったらかしでも元気に次々とお花を咲かせてくれるわけですから、そのありがたさたるや…!日々の管理といえば、乾燥したら水をやることと、咲き終わった花がらを摘むぐらい。冬場なら毎日ではなく数日おきで大丈夫なので、大雑把な私にもぴったりでした。園芸初心者の私に成功体験と庭づくりを楽しむきっかけを与えてくれたといっても過言ではありません。
ビオラは種から育てられます!
こうしてビオラという植物に親しみが増すばかりで、これは毎年植えずにはいられない!と、冬花壇お気に入りの定番メンバーになりました。
さらにハマっていく要因となったのが、種の存在です。
ビオラは花がらを摘まずに放置しておくと種を作ります。とても小さな種なのですが、自分で採取した種から育てるビオラは、これまた愛着湧きまくりになるのです。
交配は自然に任せているので、実際に咲くまでどんな色になるか分からないのも魅力の一つ。お店ではなかなか見かけないような絶妙な塩梅の配色もあれば、去年と同じ子が出てきた!ということもありました。ある程度一番花が出揃ったら、組み合わせを考えながら定植していくと、もうこれは我が子のように可愛いので、手塩にかけて育てる喜びに胸いっぱい。一株ずつリボンをかけて配り歩きたいくらいに愛おしさが溢れます。親バカです。
さぁそんなビオラが気になってきたよ、という方は、ぜひこの冬、ビオラを植えてみましょう!
最初から寄せ植えなんてしなくて良いのです。小さな鉢に1ポットでも十分楽しめるはず。
まずはこの秋、店頭に観にいくところからはじめてみると良いかもしれません。
種まきしてみたい!という方はそろそろ出番が近づいてきていますので、準備に取り掛かりましょう。
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